健将グループお役立ち文庫

納豆菌のお話2   納豆菌と腸内細菌

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16時間後には40億個 二日酔い防止にピッタリ 胞子に変わって休眠
0-157には納豆菌が効く!    

16時間後には40億個

腸内環境を改善納豆菌は好条件のもとでは30分で倍、倍と増えていきます。

たった1個の納豆菌でも16時間後には、40億個と天文学的な数にも達するのです。

その驚異的な繁殖力を維持するためには納豆菌白身、エネルギーを必要とします。大豆蛋白、糖質や脂質はもちろんですが、納豆菌はビタミンH(ビオチン)が含まれた食品を好むようです。

ビオチンをたくさん含まれている食品は大豆、カリフラワー、豚のレバー、アルファルファなどです。ところで、生きた納豆菌を一度に摂取することは出来ますが、いったいどのくらいの期間納豆菌がお腹の中に留まっているのでしょうか。

納豆菌は腸内細菌ではありませんから、大腸菌や乳酸菌のようにお腹の中に留まりません。

便を調べたところ、大体一週間で便の中から納豆菌は検出されなくなるといわれます。お腹の中をよりよい状態に常に保つ為には、生命力に溢れる納豆菌又は納豆を絶えず摂取することが大切です。

 

二日酔い防止にピッタリ

納豆菌は、乳酸菌の何倍もの速さで腐敗菌を殺す

抗菌剤や抗生物質で腐敗菌もろとも全部殺す緊急治療のほかにその様に深刻にならない様日頃から味方の善玉菌が活動しやすい環境に配慮する方法として、乳酸菌のように糖を分解して乳酸を出す菌を与え、腸内に悪い菌が生き返らないようにします。

しかし、これも時間がかかりすぎます。

下痢の特効薬のように言われるビオフェルミンという薬がありますが、この薬は腐敗菌を殺す乳酸菌を大量に含んでいますので、たしかに下痢には効くわけですが、そんな乳酸菌に比べてはるかに強い力を持っているのが納豆菌です。

しかも胃酸に壊されることなく腸の中で活躍できる納豆菌は、乳酸菌の何倍もの速さで腐敗菌を殺し、さらに腐敗菌の増加を押さえる働きが強いこの納豆菌は、また持続力が長いので速やかに下痢が止まります。但し、食中毒や細菌による感染症(赤痢など)の下痢、潰瘍性大腸炎などによる下痢は、医者の治療が必要です。

 胞子に変わって休眠 

納豆菌の特徴として忘れてはいけないことがもう一つあります。気温が適温域をはずれたり、栄養分の不足や、乾燥状態に陥ると、つまり環境が悪くなると胞子に変わり、環境がよくなるまで休眠し、活動を停止してしまうのです。

熊やカエルの冬眠に似ているようですが、稲ワラではこの胞子の状態で納豆菌は棲息しています。

胞子の形は楕円形をしており、幅は約1ミクロン、長さ約1.5ミクロンぐらいの大きさで、納豆菌のからだの中につくられます。胞子をつくることができるため、他の多くの微生物に比べて環境の激変に対しても抵抗力が強く、沸騰水の中で10分間以上加熱しても死滅することはありません。胞子は休眠が破られると、発芽を始め、栄養細胞となって再び分裂を開始します。そして納豆菌の数は倍々で増えていき、1晩で10億個以上になります。よく考えてみると、納豆菌はなんとも不思議な生き物ではあります。

0-157には納豆菌が効く! 

豆菌がO-157に予防効果を初確認 平成9年7月27日毎日新聞での記事を紹介します。大豆を発酵させて納豆を作り納豆菌に、病原性大腸菌O-157の増殖を止めて消滅させる働きのあることが、倉敷芸術科学大学(岡山県倉敷市)の須見洋行教授(52)=機能物質科学=の研究でわかりました。納豆に抗菌作用があることは知られていますが、猛威を振るうO-157の”予防食”として効果が確認されたのは初めて。

須見教授は、納豆が旧日本海軍でコレラやチフスの予防に用いられるなど、戦前は抗菌食品として利用されていたことに着目。栄養液中にO-157だけを入れたものと、納豆菌を混ぜたものを人間の体温と同じ37度で培養する実験をした。1.O-157の濃度は1ml中約10億個。納豆菌はその1000分の1にした。その結果、O-157だけでは濃度にほとんど変化はなく、混合培養ではO-157は2日目には約1万分の1に減少、4日目には完全に消滅した。

2.O-111、O-144など他の病原性大腸菌に対しても同様の効果があることが別の研究者の研究で既に分かっている。納豆菌はジピコリン酸という特有の抗菌物質を含んでいるが、実際はジピコリン酸単独の実験より抑制効果が大きかった。納豆菌には他にタンパク質分解酵素なども含まれており、これらが共同して病原性大腸菌の増殖を押え、最後には死滅させると見ている。

須見教授は「納豆菌は抗菌剤のように他の有益な腸内細菌まで殺してしまうことはなく、逆に乳酸菌など増やす納豆を見直してほしい」と話している。