アテローム動脈硬化とは
アテローム動脈硬化(粥状[じゅくじょう]硬化)とは、脂肪性物質のまだらな沈着物(アテローム、あるいはアテローム硬化斑[プラーク])が、中動脈や大動脈の内壁で大きくなるため、血流が減少したり、遮断されたりする病気です。
ほとんどの欧米諸国で、アテローム動脈硬化は主要な病因および死因です。米国だけでも1996年のアテローム動脈硬化による死亡者数は100万人近くと、癌(がん)による死亡の2倍、事故による死亡の10倍を占めています。
医学の著しい進歩にもかかわらず、冠動脈疾患(心臓に血液を供給する冠動脈に生じるアテローム) 動脈硬化 (冠動脈疾患による心臓発作)と、脳卒中(脳へ続く動脈に生じるアテローム動脈硬化は、ほかのすべての原因を合わせたよりも多数の死亡の原因となっています。
アテローム動脈硬化は、脳、心臓、腎臓、その他の命にかかわる臓器や脚の中動脈や大動脈に損傷を与えます。アテローム動脈硬化は、動脈壁が肥厚して弾力性がなくなる病態の総称である動脈硬化の中で、最も重大で、最も多くみられる種類です。
予防と治療
アテローム動脈硬化を予防するためには、喫煙、コレステロール高値、高血圧、肥満、運動不足などの、改善できる危険因子を認識する必要があります。
食生活の改善 ケイ素を多く含む食品サプリメントの利用
ケイ素はカルシウムより骨を強くする
「フラミンガム研究」が解明 2004.4.16
米国の代表的な疫学研究の一つ「フラミンガム研究」(1940年代からスタート)によると、このフラミンガム研究に当初参加した人の子供を対象に「フラミンガム子孫研究」(1970年代からスタート)のデータによる。同研究グループは、フラミンガム子孫研究の参加者2846人(30~87歳、男性1251人、女性1596人)の食生活を調査。
同時に、背骨(腰椎)や足の付け根の骨(大腿骨けい部)の骨密度を測り、食事からのケイ素摂取量と骨密度との関連を調べた。
ケイ素摂取量を4グループに分けて比較すると、男性や閉経前の女性では、ケイ素摂取量が多いほど大腿骨頚部の骨密度が高いことが判明した。
最もケイ素摂取量が多いグループ(1日40mg以上)は、最も摂取量が少ないグループ(1日14mg未満)より、骨密度が10%近く高いことが明らかになった。
「食事からのケイ素摂取量の差が骨密度に及ぼす影響は、カルシウムよりも大きい」と研究グループはみている。
ケイ素はこれまで、人の健康に対する影響がはっきりとはわかっていなかった。ケイ素を含まない食事で育てたマウスは、骨の生育が不十分とのデータがあり、おそらく骨の健康維持に大切なミネラルだろうと考えられていたが、人を対象にした大規模な疫学研究で密接な関係が示されたのは初めて。
これまで人への作用に対するデータがなかったこともあり、今のところケイ素の栄養所要量は定められていない。ケイ素はほかのミネラルと同様に、食品から摂取しても体内に吸収されにくいことがわかっている。
例えば、バナナはケイ素が豊富な食品の一つだが、食べても含まれるケイ素の5%程度しか体内に取り込まれない。
ただし、ケイ素の吸収率は食品の種類や加工法によって大きく変わる。
ケイ素は穀物の皮にも多く含まれているが、全粒粉から作ったシリアルや、大麦を皮ごと使って作るビールの場合、含まれるケイ素の4~8割と高い割合で吸収される。
ケイ素と骨密度との関連を示したフラミンガム子孫研究の論文タイトルは、「Dietary
Silicon Intake Is Positively Associated With Bone Mineral Density in Men
and Premenopausal Women of the Framingham Offspring Cohort」。
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